初めてでも、勝算はありました。
理系出身の私は、「料理は科学だー」「料理は化学反応だー」と、普段から思っていたからです。
レシピ通りに作れば、そんなに大きな失敗になるはずがはないと。
例えば学校の実験でも、最初は教材の手順通りに行ないますよね?
いきなりアレンジするのは危険です(笑)
先生が一度は実験し、安全を確認していて、結果もわかっています。
だから生徒は、安心して実験できるのです。
その点は、料理のレシピも同じです。
レシピ通りの材料、手順で行なえば、似たような結果になるはずです。
きっと・・・
それに大学で生物工学(バイオテクノロジー)を専攻して学んだ私は、
発酵についても、ある程度は知識がありました。
実験で酵母を培養したこともあります。
温度、発酵時間、栄養、環境、酵母が働く様子など、具体的にイメージできています。
パン作りには、ドライイーストを使うので、共通する部分がありました。
なんだか大学の実験を思い出すようで、パン作りに興味を持った、面白そうだと感じました。
しかもパンは作ったら(私にとっては実験)、美味しく食べられるし。
このような理由で、私は自信満々で、最初のパンを作ることになりました。